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いっぺん、読んでみる?

先日、ビブリオバトルというイベントに行ってきました。

「なにそれ?」って方に簡単に説明すると、自分の好きな本の中から、事前に決められたテーマ(“勇気が出る本”や“愛”etc)にそった一冊を選び、その魅力を5分間、観戦者の前で熱く語り、2分間の質問タイムのあと、皆が一番読みたくなったチャンプ本を決める戦いです。

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 2007年に京都大学で考案され、図書館や大学を通じて日本各地に広まりつつあるそうです。

本に限らず、アニメや映画、どんなものでも「自分の好きなものを薦めたい」って

思う感情は誰もが持っていると思います。そうした感情を、短い時間でいかに

相手に上手く伝えられるかを考え、言葉にして表現することはプレゼン能力や話術の向上はもちろん、頭の体操にもなりますよね。

私が行った時は大学生から70歳過ぎくらいのおばあさんまで幅広い世代が参加して、

目をキラキラさせながら、自分が持ってきた本について熱く語っていました。

おばあさんに至っては、イスもマイクも使わず腰に手を当てながら、どれだけこの本が自分の人生を変えたのかについて熱弁しておられました。カッコ良かったです。 

 

そこで自分もビシッ!っとスピーチが出来たらよかったのですが

恥ずかし・・・私の様なイケメンが出場するとそれだけで票をかっさらう危険性があり

今回はブログにて、2015年に読んだ本の中で個人的に面白かったものを皆様にオススメいたします!

 (ジャンルはなんでもあり!)

 

まず1冊目!

【きりこについて(西加奈子)】

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「きりこはぶすである」

およそ主人公の女の子の紹介とは思えない衝撃的な書き出しから始まり、そのあと、きりこが如何にぶすか、あらゆる形容を駆使して書かれているのですが、そこに悲壮感はなく、全編にわたって非常に面白く書かれています。

両親から「可愛い可愛い( ◜◡‾)」と溺愛され、自分は可愛いのだと有り得ない勘違いをして育ったきりこが、ある日片想いの男の子に告げられる、ぶすという現実。きりこ=ぶすという人類共通の真実に気付いてしまったクラスメイト。耐え切れずきりこは登校拒否になるのですが・・・

後半の怒涛のきりこ無双は読んでいて爽快。元気になれる一冊です。

 

追記 2016年2月3日

「きりこについて 」をあらためて読みました。

正確には朗読をされている放送者さんが取り上げて読んで下さいました。

面白いよー!ってブログで薦めておいて恥ずかしながら、最後に読んだのが昨年の春頃で、ストーリーの大半を忘れていたので、毎回「続きはどうなるんだろう!」とワクワク。素敵な朗読も相まって、本当に止まらなくなる面白さを秘めた良書だと改めて思いました。同時に、私が上述した紹介文があまりにざっくりふわっふわ適当すぎて通販番組ならBPOに苦情が来そうなレベルなので一つだけ訂正しておきます。

そこに悲壮感はなく、全編にわたって非常に面白く書かれています”と書きましたが、途中結構辛い描写もあり、心えぐられることもあるかもしれません。きりこの人生、山あり谷ありです。その分、辛さがスパイスになって後半グイーっときりこに後光が差してくるのですが・・・あまり書くとネタバレになるので気になった方は是非、読んでみてください。

 

2冊目。

【宮中賢所物語 五十七年間皇居に暮らして(高谷朝子)】

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皇居の中の賢所(けんしょorかしこどころ)という、皇祖神天照大神を祀る神聖な場所で、神に仕える女性たちにより、平安時代から口伝で連綿と受け継がれきた祭祀、独特の作法、しきたりなどを旧制度最後の内掌典、高谷朝子氏が紹介している本です。

この賢所では「次清(つぎきよ)」という実に厳しい決まり事があり、祭祀を行う際は常に「」の状態でなければならず、清めた体でトイレはおろか、手が着物の下半身に触れてしまうだけで「」となり再び清めなければ一切の祭祀を執り行えないなどの決まりがあります。

しかしながら、2001年に高谷朝子氏が57年間の職を全うし退職されて以降は、未婚の女性を長期間仕えてさせてしまうことになる等の配慮から、大学卒の女性が4年任期で仕える現行制度に変更されました。その結果、内掌典の女性たちが比較的気軽に仕えられる様になりましたが、同時に伝えきれない多くの伝統が失われる可能性があり、失われる前に本として残したものが、この貴重な一冊というわけです。

写真なども載っていて、まったく予備知識のなかった私でもイメージがしやすく、スラスラと読めました。

 

3冊目。

【僕はビートルズ 全10巻(原作:藤井哲夫 作画:かわぐちかいじ)】

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時は2010年。

ビートルズを愛してやまない4人組の人気コピーバンド「ファブ・フォー」

その高い演奏技術でビートルズファンからも支持を得ていたものの、ある日メンバーの一人が方向性の違いから、バンドを抜けると言い出します。

おいおいよくある設定のバンド漫画かよw プークスクス」と思われたあなた。運動場4周してください。そう、ここからが真骨頂。脱退宣言したメンバーを追いかけ、一同は誤って線路に落ち、気が付くと・・・ビートルズが誕生する少し前、1961年にタイムスリップしていたのです。

そこで主人公は、ビートルズが未知の新曲を発表する可能性に賭け、ビートルズの曲を先に自分たちのものとして発表しデビューすることを決意。果たして元のメンバーは全員集まるのか、そして誕生前の曲を取られた本家ビートルズはどうなってしまうのか。

この本は、ひょっとするとこのブログを見てくださっているかもしれない心優しき御方から、以前オススメしてもらった漫画です。坂道のアポロンのようなノスタルジックな雰囲気と、0から伸し上がっていく一体感、人気と比例して湧き上がる心の葛藤が繊細に描かれていて、一度読みだすと止まらなくなります。

 

 ラスト4冊目。

ミスター味っ子 全19巻 (寺沢大介

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その歴史、中華一番よりも古く、そのリアクションは焼き立てジャぱんの礎となる

伝説の料理漫画、その名もミスター味っ子!!

母と二人で食堂を営む主人公、味吉陽一。この食堂に来店した料理界のドン、味皇サマァに気に入られ、 次々と挑んでくるライバルたちと創意工夫を凝らした料理対決をしていくお話です。アニメでも放送され、その常識にとらわれない調理法や多彩な表現が多くの料理漫画に影響を与えたと言われています。

カレーの隠し味にコーヒーを入れるといった、今ではよく使われる手法も披露されており、ひょっとすると、この漫画が原点なのかもしれません。(間違っていたらごめんなさい)

そして一番気になったのが、味皇様の尋常でない肩幅。

比較して見ていただければわかりやすいですが、

見開きページの端から端までを埋め尽くす巨大な肩幅*1には「立山連峰かよ!」と

突っ込まざるを得ず、この漫画の壮大さを窺い知ることが出来ます。

 

今回紹介した4冊は全てウェブサイトの評判だったり、その作品が好きな人にオススメしてもらったものです。好きな本の魅力が、誰かに伝わって、それがまた他の誰かに伝われば、魅力の共有が出来て名作も増える。まさに良いこと尽くめですね!

2015年、素敵な本に出会わせてくれた皆様、本当にありがとうございました。*2