歩き回っている人がみんな迷っているとは限らない
2015年晩秋、一人の男がとある大都市の駅前で迷子になっていた。
バスターミナルが本来あるはずの場所から移設されていて、移設場所がわからなかったようだ。
彼は誰かに道を尋ねるとき、決まって50代~60代の優しそうな女性に声を掛ける。
昔から行く先々で迷子になっており、その時の経験から色々学んだ結果だそうだ。
今回も50代くらいの優しそうな女性に声を掛け、無事バスターミナルに辿り着くことが出来た。口頭でも充分だったのだが、女性はわざわざ地図を見てターミナルまで道案内をしてくれた。
彼が「わざわざ御親切に有難うございました、本当に助かりました!」と心からお礼を伝えると、女性は何故か申し訳なさそうな顔をしてこう言った。
「あ、いや私も同じバスなので・・・何かスイマセン」
そんなこんなで、彼らは飛騨高山行きの高速バスに乗り込んだ。
というわけで昨年秋、岐阜県は飛騨高山に行きました。
岐阜県北部に位置し、御嶽山や乗鞍岳など標高の高い山々に囲まれた趣のある観光地です。
私にとってこの場所は学生時代、毎年夏を過ごしていた思い出深い場所でもあります。
今回は旅行で行ったわけではないのですが、観光地に来て観光しないなんてバチが当たるのではないかと思い、仕方なく遊び倒してきましたので全3回にわけてブログに書き綴っていきます。
飛騨高山に到着後、フリー乗降バスという好きな場所で手を挙げて乗り降りする田舎特有のバスにゆられ、目的地に着き用事を済ませると、時刻は午後7時半、辺りはもう真っ暗になっていました。
午後7時半といえば・・・そうですね、最終バスの時間です。
これを逃すと街灯一つない山を10時間歩いて高山に戻らねばならないため、必死に反射バンドと懐中電灯を路上で振り回しバスの運転手にアピール。高山駅に戻ってきました。
高山市街に着いたころには午後8時半を過ぎていたため、ひとまず宿探し。
ビジネスホテルに泊まるという手もあったのですが、前から一度バックパッカー御用達の宿に泊まってみたかったので色々探した結果「K’s House高山(ケイズハウス)」という宿に泊まることにしました。
まず入って驚いたのがフロントのお姉さんが「HELLO!」と英語で出迎えてくれたことです。こうしたバックパッカー向けの宿を利用する客の大半は外国人旅行客。当然と言えば当然なのですが日本にいて日本人に英語で話しかけられるのは新鮮です。
もちろん「え、あっ・・・うぅ・・ヘロこんにちは・・・」という私の流暢な日本語の切り返しで、フロントのお姉さんも「あ、この人イケメンだけど外国人じゃないんだ」とすぐに察してくれたので、それ以降は日本語で対応してくれました。
後からわかることですが、この日、日本人の宿泊客はどうやら私だけでした。
1階にはフロントと共有スペース、キッチンがあり、キッチンでは自由に料理しても構わないそうです。ただ、そこで使ったカップやディッシュはセルフでウォッシュしてドライ&リターンしてほしいとのこと。おーけー。
冷蔵庫も全員で共有。入れる物には自分の名前や部屋番号を書かなければなりません。
ただ、お茶や水などは用意されているので自由に飲んでいいそうです。
そして冷蔵庫のホワイトボードでは、日替わり日本語講座も開催されていました。
マイコゥウェィ!
ごみの分別の仕方も英語とイラストを使ってわかりやすく書かれているので捨て方に迷うことはないと思います。
そしていざ部屋へ!
フロントで渡された鍵の番号を頼りにエレベーターで部屋へ向かいました。
個室やツインの部屋もあるそうですが、バックパッカーの宿に泊まったのに誰もいない個室だとビジネスホテルと変わらないので今回は相部屋を選びました。
ピンボケウェィ!
ドアを開けると、2段ベッドが2台、L字型に設置されていて最大4人までが泊まれるようになっていて、奥の下段のベッドでは丁度白人の先客が荷物を広げていたところでした。
(ふっ、ECC英会話ポッドキャストで鍛えた我が英語力を遂に解放させる時が来たか)
「おー!へろぉ!」
「HELLO!」
「うぇああゆふろむ?」
「I’m from Eingland」
(え?いんぐらんど?いぎりす?いぎりすってUKじゃないの?何言ってんだコイツ)
「おぉ!いんぐらんど!いぇあ!」
とまあ、ネイディブ同士会話が弾んだわけですが、まとめるとどうやら18日間の旅行で日本中を旅してる最中で、明日は朝一で白川郷を観に行く為にここに泊まっているとかなんとか。日本をスムーズに旅行するためにSuicaまで作ったそうです。
切符しか使ったことのない私ですが「イッツア ジャパニーズテクナァロジーイェア!」と、とりあえずしたり顔で自慢しておきました。
もう一つあるベッドの下段は、食事に出かけていたシンガポール人が使っていたため、その上のベッドを陣取って、私も食事とシャワーを浴びるために退室。
一時間後、部屋に戻ると既に二人とも寝る体勢に入っていたので、邪魔をしては悪いとベッドに入り、大人しくニコ生を見て、ツイッターをチェックし、まとめサイトを巡回し、Youtubeの新着動画を確認してから明日に備え就寝しました。
下段のシンガポール人の尋常じゃないいびきのせいで起こされるというトラブルもありましたが、おおむね快眠。目覚めると既に午前10時をまわっていたので顔を洗い、お茶を飲んで、宿を後にしました。
館内は全室Wi-Fiも飛んでいて、共有スペースにはPCも完備。トイレも綺麗でした。
至る所に、和風の飾りつけがしてあって外国人だけでなく、日本人も落ち着けるよう細かい気配りが行き届いていて居心地が良かったです。
ただ、一般的なホテルとは違うので宿泊時のいくつかの注意点を書いておきます。
★相部屋は男女関係なく割り当てられる(追加料金で女性専用部屋あり)
繁忙期でなければ一応男女が一緒にならないよう配慮はしてるっぽい?
★外出時、貴重品は必ず持って出ること
今回は皆優しい人達でしたが、用心するに越したことはありません。
★耳栓、アイマスク、各種充電器は旅の必需品
部屋の電気は消せてもイビキは消せません。
★宿の下調べは大事
宿によっては設備がボロボロだったりするのでHPなどで確認しましょう。
★ニコ生を見過ぎない
起きると昼になってます。
最低限のことに注意さえすれば、日本に居ながら誰も日本語を話さない不思議な宿で、貴重な体験ができると思います。
皆さんも、興味が湧いたら一度泊まってみては如何でしょうか。
参考
ゲストハウスは京都・東京・富士・伊東温泉を拠点とするケイズハウスへ
イギリスとイングランドの違いは何?英国って?コレですっきり解決! | 時差8H TrendWings.com