心を抉る漫画・小説・アニメ映画etcを集めてみた
アニメを観たり漫画を読んでいると「ぐおおおお」って心臓をグイグイ
エグってくる作品に出合うことありますよね。
一つ例を挙げると、新海誠の『秒速5センチメートル』が有名かもしれません。
両想いだった幼馴染が中学進学と同時に遠くへ引っ越してしまい、次第に・・・。
前へ進んでいく女の子と、思い出にすがって生きていく男の子の対比が
多くの人にトラウマを植え付けました。
大人になるにつれ、本やアニメでドキドキワクワクしたり極端に感情を動かされることって減ってくる気がしますが、今回は大人でも、むしろ大人だからこそ心を抉られる(かもしれない)作品を寄せ集めてみました。
【漫画】
『聲の形』大今良時 全7巻
難聴の女の子と元イジメっ子の少年
平和だった小学校のクラスに、ある日耳の聴こえない女の子が転校してきます。
最初は皆優しく接するのですが、徐々にクラスの空気が変わっていき……
物語はそれから5年後、クラスメイト達が高校生になってから動き始めます。
1巻の第1話で心臓が痛くなるほど苦しくなって、色んな感情が湧いてきます。
涙で本が読めなくなり、なんとか読み終わると今度は放心状態で動けなくなる漫画です。2016年9月にはアニメ映画が公開されるそうです。
※PVのコメント欄はネタバレ祭りになっている可能性があります
借りた金返せない!?はい、樹海っ♪
ミナミの帝王というトイチ(10日で1割)の超高利貸の借金取り立て漫画がありますが、闇金ウシジマくんはトゴ(10日で5割)です。10万円借りたら15万円返さないといけません。もちろん違法。
そんな暴利な闇金業を営むウシジマくんと、藁をもすがる思いでやってくる客達。
この本では主にその客たちの人生、人間模様が描かれていて、その描写があまりに悲惨で、私が唯一途中で読むの辞めてしまった作品です。
もちろんこの漫画はフィクションですが、多くの人が「卒業⇒就職⇒結婚」という、人生を送る中、社会のレールに上手く乗れなかったウシジマくんの客のような人達が大勢いると思うと、自分もこうなってしまったらどうしよう……なんて考えたりして苦しくなること間違いなしの本です。
【小説】
『告白』湊かなえ
淡路島から量産される、日本一胸糞悪い文章(褒め言葉)
表紙に学校の勉強机が置いてあって、タイトルが「告白」
へー、学生の甘酸っぱい恋愛物かな?ワクワク♪って思うじゃないですか!
そんな期待を一瞬で裏切りつつ、最後まで一気に読ませてしまう小説がコチラ。
物語は一人の女性教師が教室で生徒を前に独白するところから始まります。
生徒がいるのだから独白ではないのですが、独白にしか見えません。
そしてその話の内容がぶっ飛んでいて衝撃です。
予備知識無しで読んだ方が面白いと思うので、ネタバレはしませんが
ある事件が複数の視点から語られている点で、芥川龍之介の短編「藪の中」に似た不気味さを感じさせます。
読み終えた後、作者の湊かなえさんについて調べると、彼女は「イヤミスの女王」と呼ばれているそうです。イヤミスとは、読んだ後嫌な気持ちになるミステリのことらしく、私は知らずにイヤミスの女王の有名作を読んでいたわけです。
その時の私は見てはいけないセカイを覗いてしまった中学生のようだったといいます。
~Welcome to Underground~ようこそイヤミスの世界へ
その後、湊かなえ氏の「贖罪」や「少女」も読みましたがどれも胸糞悪くて面白かったです。
【アニメ映画】
私はね、あの場所で一人で歩けるようになる練習をしてたの……
雨の日の午前中だけ授業をサボる高校生と、ある女性の淡い恋物語です。
天気予報士がこの映画を観たらきっとこう言うでしょう。
「この映画は目の降水確率100%だよ、ジェシファー」ってね。
雨が水面に落ちる様子、濡れた葉、梅雨のじとじと感
こんな綺麗なアニメがあるのかと衝撃を受けました。
「2人が一緒にいるときは常に近くに水がある」という新海誠の演出も素敵です。
もしもまだ観てないって人がいたら、騙されたと思って観て下さい。
心臓を鷲掴みにされたあと、綺麗に浄化されます。
個人的に一番好きなアニメ映画です。
『言の葉の庭』 予告篇 "The Garden of Words" Trailer - YouTube
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この世界で最も重大な罪は、言葉で人を傷つけることなのだ
あることがきっかけで、喋れなくなる魔法をかけられてしまった女の子がクラスの出し物でミュージカルに挑戦する話です。
明るくてお喋りな女の子が、言葉を失って性格も暗くなる。
そんな女の子が一人の男の子と出会い、少しずつ変わっていく。
言の葉の庭が40分なのに対し、こちらはなんと2時間。
長っ!と思いつつ観てみると、開始5分で心臓を抉られ、ラストで「ええっ!」と意表を突かれ、もう一度最初から2時間見直してしまう映画です。
青春ってこういうパターンもあるんだなぁと考えさせられます。
「心が叫びたがってるんだ。」特報映像第2弾 - YouTube
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【TV】
『ガタロさんが描く町 清掃員画家のヒロシマ』NHK ETV特集
掃除道具に感謝して、今日も商店街を綺麗にする
数年前、声優の能登麻美子さんのラジオを聴いていたら能登さんが突然「ちょっと話それちゃうんですが、先日NHK観て号泣してしまって……」と絶賛していた番組です。
広島平和記念公園の近くにある商店街で清掃員をしているガタロさん(あだ名)に密着取材したドキュメンタリー。
毎日毎日誰かが吐き捨て床にこびりついたガムを取り、住民が出すゴミを分別し、尽きない落ち葉を拾い集め、掃除道具に感謝しながら絵を描く男ガタロさん。
自身の父が被爆者らしく、密着取材の最中に記念公園でパフォーマンスをして警察に連行されていたり、色々ビックリする箇所もあります。
ただ、この人がトイレ掃除に使うボロボロで汚らしいデッキブラシの毛先を、まるで飼い猫を愛でるように優しく撫でているのを見た時「ボロボロで汚いのはお前の心だ」と言われた気がして、心臓を抉られました。
街中でポイ捨てしてる人に見せてあげたくなる番組です。
ETV特集 ガタロさんが描く町 〜清掃員画家のヒロシマ〜 | 番組ライブラリー | NHK 平和アーカイブス
【作文】
『一期一会~その思いを紡ぐ~』高田愛弓
二年連続作文コンクール日本一に輝いた女子中学生
「父が、逮捕された」という衝撃的な書き出しで始まる作文で2015年、第65回作文コンクール文部科学大臣賞を受賞した、中学二年生の高田愛弓さん。
「一期一会」はその彼女が2014年、第64回作文コンクールで同じく文部科学大臣賞を受賞した時の作文です。
小学生の頃、ある持病を抱えていた高田さんが修学旅行先のオーストラリアで人の優しさに触れるというお話なのですが、中学一年生が書いたと思えないくらいしっかりした文章で書かれていて引き込まれます。
教師や医師、親の愛を一身に受け、自らの境遇を嘆くことなく懸命に密度の濃い人生を生きる彼女の姿に感動しました。
PDFファイルですが、作文はこちらから読めます。
http://www.ssalesio.ac.jp/junior/files/2014/11/d8abe4f7367a95bd5706e376a5434e3c.pdf
以上です。
有名だったり話題になったものが多いので、既に知っているものも多いかもしれませんが、気になった作品があれば一緒に心えぐられましょう!